ラングドンシリーズ第二弾の公開に伴い、第一弾が地上波に初登場。
’06年の映画化と共に、原作小説も大ヒットしました。
実際のルーブル美術館を撮影に使っている事や、
ダ・ヴィンチが絵に秘めたキリスト教の真実とされる薀蓄など、
TVで盛んに特集が組まれ、大きな話題となりました。

ルーブル美術館の館長のソニエールが奇妙な姿で殺害され、
ダイイング・メッセージに名前が残されていたラングドンが
容疑者になりました。捜査協力を名目に美術館に呼び出された彼に、
館長の孫娘で暗号解読官のソフィが、あなたは狙われているという
メッセージを伝えました。暗号を解きつつ、二人は逃避行を開始します。

話は宗教象徴学者という肩書きのロバート・ラングドンの講義シーン
から始まります。ラングドンの講義は、普通に面白そうでした。
これをこのまま流してくれてるだけでもいいやと思うくらいでした。

ルーブル美術館にガラスのピラミッドのオブジェがある事は、
無知な私はこの映画が話題になるまで知りませんでした。
モナリザが出てきたけど、これは本物なんだよね、多分・・・。
動かしていたもう一枚の絵は、さすがに本物じゃないと思うけど。

ソニエールの残した暗号が示した場所に辿り着くと、そこには次の
目的地を示す暗号が残されていました。殺人犯として追われながら、
二人は暗号の指示通りに、そうやってどんどん進みました。
上手く美術館から脱出し、ラングドンを乗せ、車で逃げるソフィ。
渋滞するパリの道をバック走で走ってる!凄い運転技術。
絵の裏から出てきた鍵で貸し金庫へ行き、二人はある物を見つけます。

ラングドン達の見つけたキー・ストーンを狙う団体オプス・デイ、
二人を追う刑事、警察の目を逃れつつ目的地へ向かう二人。
原作を読んでいた時は、数ページで場面がコロコロ変わって
落ち着かなかったけど、このスピード感は、映画だとぴったりでした。

小説自体がシナリオを読んでいるみたいで、映像化向きだとは
思ってたけど、小説の場所がそのまま出てくるし、
まるで小説を読んで頭の中で想像していた映像を、そのまま
フィルムに焼き付けて目に見えるようにしてくれたようです。
全くイメージ通りで、小説を映画化したというより、
小説がこの映画のノベライズなのでは、とでも思えるような出来です。

テンプル騎士団がバチカンに消されたとか、「最後の晩餐」に
隠された暗号、マグダラのマリアの話、コンスタンティヌスという
一人の人物が指揮して聖書を編纂し、キリスト教を定義付けた、等々、
この映画の売りであった再現映像を交えた薀蓄は、面白かったです。

私は無宗教で知性や教養などというものとも無縁の人間なので、
どこまでが史実でどこまでが事実で、どこまでが眉唾なのか
判らないんですが、真偽はともかく、全部「へー!」と思いました。
私は世界史に全く興味が無かったんですけど、こうやって聞くと
面白いと思えるのは、やっぱり学校の先生の話が
下手だったからなんだろうな、と思います。

ラングドンが閉所恐怖症という設定は原作には無かったものですが、
原作というのが心理描写が全くと言っていいほど無く、登場人物は
全て話を進める為の駒であるかのような書き方になっていたので、
これを付け足した事は、キャラに人間味が出ていいと思いました。

ロズリン礼拝堂の地下にああいうものがあるというのは、
さすがに作り話だろうなとは思います。
ルーブル美術館も大変な秘密を背負わされたものです。
三時間と長い放映でしたが、飽きさせずにあっという間に終わりました。